自家発電設備

大規模な地震や火災によって停電が起きてしまった場合、防災設備や人命を救助する設備が稼働できなくなると、大変なことになってしまいます。
緊急事態が起きた時でも防災設備を稼働させられるように、条件を満たす建物においては、消防法と建築基準法によって自家発電設備の設置が義務付けられています。
また、昨今では法令による設置義務がない建物でも緊急事態が起きた時に備え、保安用として自家発電設備の導入を検討している企業が増えています。

自家発電設備点検の重要性

緊急時の備えとして重要な自家発電設備ですが、東日本大震災の際には、メンテナンス不良による不始動や異常停止等の事例が確認されています。

経年劣化や設置環境の変化など、さまざまな要因によって正常に動作しないケースもありますが、自家発電設備は常に運転させておくものではないので、点検をしなければこうした異常に気付くことが困難です。

多くの資金を費やして自家発電設備を導入したとしても、いざという時に正常に稼働しなければまったく意味のないものになってしまうでしょう。
もしもの時に安心して自家発電設備を使用するためには、定期的な点検は必要不可欠です。

総合点検における運転性能の確認(負荷運転や内部観察等)については、自家発電設備の点検及び設備について必要な知識及び技能を有する者(自家用発電設備専門技術者など)が実施することが適当であること。《自家発電設備の点検要領一般的留意事項抜粋》

当社では、この自家用発電設備専門技術者が在籍しています。『正常な状態を保ち守ること』『異常が出る前に対策を取ること』『壊れたところを繕って直すこと』3つの観点からクオリティの高い保守点検を実施しています。

点検基準の見直しと負荷運転の点検要領

2018年6月1日に自家発電設備の点検方法が改正されました。

  • 改正前の問題点
  • 負荷試験実施の際、商用電源を停電させなければ実負荷による点検が出来ない場合がある。
  • 屋上や地階など、自家発電設備の設置場所によっては疑似負荷装置の配置が困難となり、装置を利用した点検が出来ない場合がある。
  • 改正後のポイント
  • 負荷運転に代えて行うことができる点検方法として、内部観察等を追加
  • 負荷運転及び内部観察等の点検周期を6年に1回に延長毎年予防的な保全策が講じられていることが条件
  • 原動機にガスタービンを用いる自家発電設備の負荷運転は不要
  • 換気性能点検は負荷運転時ではなく、無負荷運転時に実施するよう変更
  • 負荷運転の点検要領
  • 点検方法

疑似負荷装置、実負荷等により、定格回転速度及び定格出力の30%以上の負荷で、必要な時間連続運転を行い確認する

  • 判定方法

ア 運転中に漏油、異臭、不規則音、異常な振動、発熱等がなく、運転が正常であること。     イ 運転中の記録はすべて製造者の指定値範囲であること。

必要な時間とは、判定方法に係る項目を確認する時間をいう。